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君の名は? ネーミングはブランディングのはじまり。

brand 2017.01.13

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「i-phone」という名前は、Appleのモノではない?

日本のスマホ市場で圧倒的シェアを誇るi-phoneですが、じつはこの名前、Apple Japan(以下Apple)が権利を持っているわけではありません。理由はすでに同名の商品が世の中に存在したから。つまりAppleは、このネーミングを無断で使用できないのです。アイホン株式会社(名古屋市/昭和23年創立)をご存知ですか? 家庭用インターホンの大手企業ですが、日本における「アイホン」という名前の権利は、この会社が持っています。そのためi-phoneのwebサイトには、「i-phoneの商標はアイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。」と小さな文字で必ず書かれています。つまりこれは、Appleからアイホンへ少なくないであろうネーミング使用料が支払われていることを意味しています。

 

世の中が動く"よいネーミング"とはいったい何か。

では次に、"よいネーミング"の事例をいくつかご紹介しましょう。1980年代のおわり、遠距離恋愛中の"アベック"は、「シンデレラ・エクスプレス」(JR東海)と名付けられた新幹線に毎週末乗りました。牧瀬里穂がベレー帽をなおす仕草がカワイかったなぁ。つぎはジャンルがかわって「アンデスメロン」という名前。明らかに南米産というイメージがしますが、じつはまったく無関係。芯がなくぜんぶ食べられるため、「安心です」が語源だそうです。3つめはネーミングの理想形「サランラップ」について。もはやどの家庭にもある生活必需品ですが、じつは旭化成ホームプロダクツという会社の商品名。食品包装用ラップ自体のカテゴリーを指す言葉になりました。もちろん他社は、「サランラップ」という言葉を使用できません。ちなみに歴史をさかのぼると、「ゼロックス」や「セロテープ」などもそうですね。

 

企業の"らしさ"を感じさせれば、企業ブランディングになる。

このようによいネーミングは、消費者が覚えやすいこと。そして商品特性までを感じさせられることが条件です。よい商品名は、新しい価値を世の中に提供し、ライフスタイルを変え、コミュニケーションの最前線でブランド価値を高めます。そういった意味では、ネーミングはブランディングと言えるわけです。そしてもうひとつ、よい条件を挙げるとすれば、企業文化(らしさ)を感じさせること。つまり商品名を聞いて、企業が想起できれば最高のブランディングになるというわけです。じつはそんなネーミングを連発する、世の中のコピーライターがお手本にする企業があるのです。

 

コピーライターがネーミングのお手本にする企業とは!?

「糸ようじ」「のどぬ~る」「熱さまシート」「ナイシトール」「トイレその後に」...これらはすべて、小林製薬の商品です。どうですか? すべてがよいネーミングの条件を満たしています。スタイリッシュではありませんが、ドラッグストアやスーパーマーケットの棚に並んでいると、消費者が選びやすそうなネーミングばかりです。その他にも、「アッチQQ(やけど治療薬)」「オシリア(肛門のかゆみどめ)」「ボーコレン(排尿痛どめ)」「ガスピタン(ガスだまり改善薬)」「キズアワワ(傷口消毒洗浄剤)」...名前を聞くだけで商品特性が分かり、さらには「小林製薬らしさ」を感じられるネーミングになっています。消費者の目線に立って考える姿勢は、ブランディングはもちろん、すべてのコミュニケーションに携わる人のお手本になるのではないでしょうか。

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