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ブランディングなんて大企業が考えることでしょ?

brand 2017.01.06

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突然ですがこちらのランキングはなんでしょう? 

1位 ロッテ

2位 AGF(味の素ゼネラルフーヅ)

3位 ファミリーマート

4位 コスモ石油

5位 カルピス

ヒントは企業のブランドに関するランキングです。もちろんこれらの企業自体を知らないという方はいないと思います。とはいっても相当のコミュニケーション通でなければわからないかもしれません。

こたえは企業タグラインの認知率ランキングです。もう少しくわしく説明すると、企業タグラインからの企業名想起率が高い順位です。そもそも企業タグラインってなに? という方もいらっしゃるかもしれませんが、簡単にいうとその企業を表すキャッチフレーズのこと。たとえば「お口の恋人」という言葉を聞いて(もしくは見て)、企業名が思い浮かぶかどうかというランキングです。こちらは1位のロッテのものですが、その想起率は73.1%。14年連続で1位だそうです(企業メッセージ調査2015)。想起率の高いタグラインは、テレビやラジオから流れてくる音として耳に残っていることが多いですね。2位以下は、「コーヒーギフトはAGF」(AGF)、「あなたと、コンビに、ファミリーマート」(ファミリーマート)、「ココロも満タンに」(コスモ石油)、「カラダにピース」(カルピス)とつづきます。広告やコミュニケーション業務に携わっている方であれば、ご存知の方も多いかもしれません。参考までに6位以下についても掲載しておきます。

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株式会社日経BPコンサルティング 企業メッセージ調査2015より

さて、企業タグラインについてですが、その役割の最たるものは社会に対して企業の存在意義をアピールすることにあります。しかしこれが目的だとすると、上記のようなコミュニケーション活動に潤沢な予算のある大企業でしか機能しないということになってしまいます。けれども実際はそんなことはありません! たとえ広告を一切行わないような企業にも、見逃すともったいない大きな効果があるのです。それがインナー(主に従業員)へのアピールです。自分の働く企業が「どこへ向かっているのか」「社長が何を考えているのか」。そういった想いをシンプルに伝える言葉になるからです。企業理念があると思われる方もいるかもしれませんが、少し役割は異なります。企業理念は一般的には、未来永劫変わらない不変の言葉です。もちろん厳密なルールはありませんが、多くの場合、創業者が決め、社長室の額に飾られているような言葉です。つまり"さわりづらい"言葉です。それならそれで置いておいてけっこうです。一方で企業タグラインは、時代に合わせて変えられる(変えるべき)言葉です。たとえばローソンは2013年、長年使用してきた「マチのほっとステーション」を、「マチの健康ステーション」へと変更しました。コンビニエンスストアが「便利」の先に何を提供するのかを考える時代になっているということでしょう。

こう考えると、企業のタグラインというのは、企業が「今、向かうべき方向を指し示す」わけですから、ブランディングの根幹であるとも言えます。そしてこれは、あらゆる企業に必要なことなので、テレビで大々的にCMを流せる大企業だけのものではないということ。企業理念が"お飾り"になってしまっている企業はとても多いと聞きます。たとえばホームページを見てくれたお客様がイメージしやすく、従業員が行動しやすくなるような言葉を持っておくことが、企業が変わるきっかけになることもよくあります。

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